飲酒運転フライト
〜2008年アエロフロート821便墜落事故〜

飲酒運転フライト〜2008年アエロフロート821便墜落事故

アエロフロート821便墜落事故概要

・発生日:2008年9月14日 日曜日

・発生場所:ロシア/ペルミ

・犠牲者数:88名

・機長及び副操縦士の経験訓練不足、さらに機長の飲酒による操作ミスで墜落した。

アエロフロート821便墜落事故機体情報

アエロフロート821便

アエロフロート821便
アエロフロート821便

・機種:ボーイング737-500

・機体記号:VP-BKO

・出発地:シェレメーチエヴォ国際空港(SVO)

・目的地:ボリショエ・サヴィノ空港(PEE)

アエロフロート821便墜落事故経緯と原因

悲惨な墜落事故現場

2008年9月14日の朝方、ロシアペルミ市郊外鉄道の近くに大きな炎が立ち上がっている。これは旅客機アエロフロート821便の墜落現場であった。

日が昇り、明るくなるのにつれて事故の惨状が人々の前に現れた。残骸が散乱し、空気中に焦げた匂いが充満していた。

この事故でアエロフロート821便の乗客乗員全員88人が犠牲者になった。

アエロフロート821便墜落現場
アエロフロート821便の残骸

天候や機械は墜落の原因ではなさそう

ボリショエ・サヴィノ空港に着陸するはずでしたが、なぜ郊外に墜落したかを究明するために、事故調査員たちはまず事故時の天候情報を調べた。事故時は曇りで小雨でしたがほぼ無風であるため、天候原因が排除された。

次に、機械の原因を調べた。機体に追突された森は火の焼け跡がなく、残骸も同じエリアに集中されているため、機体は空中での爆発・分解がなかった。この状況は1994年のUSエアー427便墜落事故に類似しており、方向舵の逆動による事故も考えられるが、2005年の整備記録から対応更新したと記録されていたため、この原因も排除された。

左右エンジンの推力不均衡の不具合があった

整備記録を更に調べたところ、事故の1ヶ月前から右エンジンの推力が左側より20%高いことが報告された。左右エンジンの推力が不均衡の際に機体の横への旋回が発生してしまう。

事故前日、別の操縦員は左右推力差の大きさに不安を感じ、証拠写真も取った。ただ、左右推力の不均衡は操縦員の調整対応が必要だとはいえ、機体がオートで調整するので、事故を起こすほどの不具合ではない。

機長と副操縦士の二人はボーイング737初心者であった

問題は機長と副操縦士がエンジン推力不均衡に対応できるかどうかにあった。

調査が続いていくと、機長のボーイング737の飛行経験は452時間(民間航空操縦士1年間の飛行時間よりも少ない)に過ぎず、副操縦士は219時間しかなかったことが明らかになった。まさか二人とも737の初心者である。

しかも、副操縦士は、両エンジンの推力が不均等な737の操縦が特に不得意だったことも訓練教官からの証言で明らかになった。

事故当日、アエロフロート821便は目的空港に近づくと、機体が着陸のため大きく右に旋回しようとしたが、左右エンジン推力の不均衡により、オートで対応できなくなり、不得意分野に遭った副操縦士が焦ってしまい、オートパイロットまで解除してしまった。その後、推力の不均衡で機体が上昇し、航路から離れてしまい、副操縦士は慌てて機長に助けを求めた。

機長はまさかの泥酔状態

まさか、こんな時、機長は泥酔状態であった。

調査によると、乗客の一人がアナウンスで機長がかなり酔っているように聞こえたと友達にメッセージを送った。事故後、機長遺体の司法解剖でも体内のアルコールが確認された。

酔っていた機長は、判断力が鈍くなり、以前乗務していたTu-134の姿勢指示器(ADI)と737のと混乱し、誤った操作をした。(Tu-134のADIでは機体を表す印が動いているのに対し、737のADIは地平線が動いている)

737とTU-134のADI比較
737とTU-134のADI比較

こうして、アエロフロート821便の悲劇が起きてしまった。

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